人間より約5億年も前に誕生した昆虫は、環境の変化とどう向き合ってきたか。文筆家のペズル氏は「ビジネスにおいても人間が昆虫から学べることは多い。今年の春にアフリカやインドで大量発生したサバクトビバッタの生態は象徴的だ」という——。

※本稿は、ペズル『もしも虫と話せたら』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

新型コロナで仕事の不満が爆発する人たち

新型コロナの影響で、仕事を取り巻く環境は一変しました。

サバクトビバッタ
イラスト=じゅえき太郎

リモートでコミュニケーションがとりづらくなったり、営業のやり方を変えなければいけなかったり……。そんな中、今までより作業が増え、「これってやらなきゃいけないの?」「この作業は私ではなくあの人がやるべきでは?」「なんで私だけがこんな面倒な思いをしないといけないの?」と不満に思う機会が増えた方もいるのではないでしょうか。

環境の変化に直面した時、できる限り今まで通りのやり方を活かして仕事をするか、変化に合わせて劇的にやり方を変えてみるか、「どちらが正しい」という明確な答えを我々人間は持ち合わせていません。

そこで少し視点を変え、今年の春にアフリカで発生し、インドまで飛んできたことが話題になったサバクトビバッタの生態を例に、「環境の変化との向き合い方」について考えてみたいと思います。