現代人は無自覚に糖質を摂りまくっている

そもそも糖質制限は糖新生(糖質を食べ物から摂取しなくても、体内で脂質、アミノ酸を材料として糖を生成すること)によって痩せますが、筋肉量が落ちてしまうというデメリットがあります。その点、断糖高脂質食では脂肪酸のβ酸化によって痩せるので、筋肉量は落ちません。かなりマニアックな話になるので割愛しますが、糖質制限と断糖高脂質食では作用機序がまったく違うのです。後者のほうが糖新生の亢進でアミノ酸が消費され、筋肉が落ちない分だけ優れているのは言わずもがな、です。

さきほど、主な食事に含まれる糖質量について触れましたが、日常生活には思わぬ落とし穴があまりに多い。調味料から飲料、体によいと思って食べているバランス栄養食には、これだけの糖質が含まれています。

・カロリーオフのマヨネーズは普通のものの9倍の糖質
・500mlのペットボトルのブラックコーヒーは角砂糖1個分(3.5g)の糖質
・バランス栄養食は1箱で41gの糖質
・スポーツドリンクには30g/500mlの糖質
・コショウ・唐辛子・わさびにも大量の糖質

コンビニにあるものをちょっと見渡してみただけで、糖質がこんなに……。こうなると最初のうちは、何を食べたらいいのか悪いのか、なかなか判断がつかないと思います。お米やパスタなどの穀物がNGなのは言わずもがな。

食材で言うなら、「肉、サバ缶、卵、牛脂」あたりを主食にします。目安は、除脂肪体重×1gまでは食べてよいです。

とにもかくにも、まずは断糖から。空腹感から余計なものに手を出すくらいなら、糖質がゼロに近いこれらの食べ物を食べまくろう、というくらいの心持ちで臨んでみましょう。早い人だと、数日で変化に気がつくはずです。

ちなみに、極端に見えるかもしれませんが、僕の場合はこんな食事が多いです。

・朝 生クリーム&MCTオイル入り紅茶
・昼 空腹感があれば牛脂スープを1杯
・夜 サバの卵炒め
1食分に含まれる糖質量の目安はどれくらい?

倦怠感やめまい、頭痛、不眠、下痢などが起きたときは…

断糖高脂質食に切り替えると、ケトフルーという症状に悩まされる方も出てきます。これは糖質メインから脂質メインへのエネルギー転換の切り替えがうまくいかず、倦怠感やめまい、頭痛、不眠、下痢などが起きる現象で、それまでの生活が自堕落であればあるほど(かつてラーメン大好きだった僕のように!)症状は重くなりがちです。ケトフルーに陥った場合、水分補給をしっかりしたうえで、ビタミンやミネラルの補給を十分にし、睡眠をしっかり取ってください。

ステップ1で大切なのは、糖質ときちんとサヨナラすること。そのうえでタンパク質、脂質をしっかり摂ること。小腹が空いたらMCTオイル入りの紅茶や牛脂スープを活用し、食欲そのものを上手に抑制することがポイントになります。これがしっかり1週間、2週間と続けられるようになると、さっそく3kg、5kgと痩せていく人も出てきますし、そうでなくても痩せるための「環境作り」は整ったことになります。

食べ物については、突き詰めだすとキリのない世界ではあります。たとえばお肉を主食にするといっても、オメガバランスで考えて一番いいのはラム肉で次が牛、豚、鶏という順番だったりする。このへんは好みもありますし、食材にかけられる費用も人によって違うので、自分に合ったものを探っていただければと思います。

それでも断糖高脂質食を楽しみながらやれるのがこのメソッドのいいところだと思います。