「経営のノウハウを盗むスパイ」でも快く受け入れてくれた

そこで、僕は店休日や休憩時間にサイゼリヤでバイトしてみることにしました。

村山太一『なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか? 偏差値37のバカが見つけた必勝法』(飛鳥新社)
村山太一『なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか? 偏差値37のバカが見つけた必勝法』(飛鳥新社)

応募は普通に、WEBサイトから。自宅に近い店舗を選び、面接では経歴や志望動機など、全て包み隠さず伝えました。そして、見事採用。普通なら、経営のノウハウを盗みに行くスパイのようなものだから拒否されてもおかしくないのに、サイゼリヤは温かく迎え入れてくれました。

自分の頭で考えずに、右へならえで動くほうが、ずっと楽です。「上司に言われたから」「予算が決まってるから」「業界での慣習だから」そんな風に、思考停止ポイントはたくさんあります。そこでとどまっていても、誰も責めはしません。100%うまくいく保証なんてないんだから、何もしないほうが安全です。むしろ、とどまってるほうが褒められるかもしれない。

でも、それは他人が決めたことに従ってるだけじゃないですか? その壁は、バカにならないと乗り越えられないんです。

思考停止から抜け出す3つの問い

ちょっと考えてみてほしいことがあります。

朝になったら起きて、時間になったから出勤する。会社に着いたら仕事をして、終わったら飲みに行く。家に着いたら風呂に入り、寝る。教わった通りに仕事をして、教わった通りに後輩に仕事を教える。

これ、普通にやっていることですよね。でも、

「本当に、それであなたは幸せになれますか?」
「本当に、みんなは幸せになれますか?」
「本当に、稼ぐことができますか?」

この3つの問いをすることで思考停止から抜け出せます。自分の頭で考えることができて、謙虚に人の話も聞けるようになります。

当たり前と思っていることを、そのままやっているだけでは進歩がありません。3つの問いをしたうえで、YESと答えられるなら、そのまま続けてもいいんです。でも、答えがNOだったら、何か行動や変化を起こすべきかもしれません。