手数料ビジネスから自由なサイゼリヤ
ネットフリックスや定額音楽配信サービスのSpotify、ゲームの定額サービス、ライザップなど、サブスク(サブスクリプションの略:毎月、定額料金を払うサービス)は皆さんも利用しているでしょう。サブスクはサービスを提供している企業がユーザーを囲い込むのを目的としています。
例えば、個人ユーザーがお店を評価する「食べログ」も、掲載される店が毎月支払う料金によってサービスの内容が変わります。だから、店側も「食べログ」に料金を払わないとやっていけないと思ってしまう。
これは思考停止です。手数料をとられることを、当然のこととして受け入れている。だから利益率が上がりません。
サイゼリヤの強いところは、サブスクから自由であることです。もちろん、POSレジのように外部に料金を払って利用しているサービスもありますが、自社で農場や工場があるので、自前のものが多いんです。
それに、サイゼリヤはグルメサイトに手数料を払っていません。そんなことをしなくても、お客様は1年間に1億3000万人以上も訪れます。
僕はサイゼリヤのように、サブスクへ手数料をなるべく支払わない、自由な経営がしたいと思って、グルメサイトに1円も手数料は払っていません。やっぱり仕組みを利用するんじゃなく、つくる側に回らないといけないんだと、ひしひしと感じます。
サイゼリヤの「エスカルゴのオーブン焼き」は日本一おいしい
サイゼリヤの看板メニューの一つ「エスカルゴのオーブン焼き」はおそらく日本で一番おいしいエスカルゴです。大粒で、香りがあってやわらかくて、もう最高です。
それなのに、値段は、なんと400円。マジで安すぎます。
僕らのような高級レストランは、水煮されたエスカルゴをフランスから輸入するルートしかありません。これがガチガチに硬い。いくら高い技術をもって調理しても、限界があります。
もちろん生のエスカルゴを養殖しているところもありますけど、サイゼリヤみたいに大きくないんです。星付きレストランでエスカルゴのオーブン焼きを注文したら、おそらく2000円はするでしょう。完敗です。