愚民のために啓発を促す上級国民の進次郎くん

小泉大臣は、レジ袋有料化はプラスチックごみの問題は解決せず目的でもないと明言している。つまり、この政策には環境改善効果は何も期待されておらず、今すぐやめたとしてもほとんど何も問題ないのだ。小泉大臣は他メディアでもレジ袋有料化に言及されるたびに同様の趣旨の回答を行っており、どうやら冗談で言っているわけではなさそうだ。

実際、レジ袋は全国の自治体のゴミに占める割合が0.4%でしかない。レジ袋を集中してやり玉に挙げたところでほとんど意味がない。また、レジ袋を焼却したところで有害物質が出ることもないし、そもそも単なる石油精製時に生じる副産物でしかない。したがって、レジ袋に罰金を科すことは全く無意味である。

では、この政策自体は何のためにやっているのか。小泉進次郎大臣曰く、レジ袋有料化の目的は国民の「啓発」が目的だという。

国連も認める日本の「高度な廃棄物管理システム」

小泉大臣の主張は、国民はプラスチックごみの問題について話しても理解できないだろうから、レジ袋有料化という無意味な痛み(事実上の税金)を与えることによって無理やり認識させてやろう、と言っているに等しい。

民は無知蒙昧もうまいでありむちを振るって罰を与えねば分からない、とは、中世の愚昧な支配者そのものの発想である。世襲政治家特有の思想と発言と言えるかもしれない。

では、日本国民は小泉環境大臣よりも愚昧な存在なのだろうか。ろくに社会経験もない世襲政治家に指導される、北朝鮮のようなレベルまで日本国民は劣化しているのだろうか。

国連環境計画は2018年に発表した「SINGLE-USE PLASTICS : A Roadmap for Sustainability」の中で日本について下記のように言及している。

「日本はプラスチック袋を禁止していないにもかかわらず、非常に高度な廃棄物管理システムと国民の高い意識によって、環境中の使い捨てプラスチックの漏出が相対的に抑止されています」

実は、これが国連における日本の評価だ。つまり、日本においては「レジ袋」を禁止しなくてもプラスチック問題について極めて高い成果が上がっている、とされているのだ。