鈴木宗男氏のようないかにも悪党に見える雰囲気を持った人間は、相当無理な捜査をして逮捕、起訴しても、マスメディアや国民の反発は受けなかった。堀江貴文氏の場合も、熱狂的に支持をする人が一部にいるけれども、多くの人間は、「ホリエモンは金の亡者で、いかなる手段を使ってでも金を稼ぐような下劣な人間であることが検察の捜査で明らかになる」と、犯罪者の烙印を押してしまった。
厚生労働省の村木厚子さんが無罪になったのは弁護側の方針も寄与したが、非常に異例なケースだ。やはり村木さんが悪いことをするとは見えない清廉潔白なイメージの女性官僚だったことが影響しているのではないか。公判で関係者のほとんどが捜査段階の供述を覆し、検察の描いたストーリーに綻びが出た、そういう事件のおかしさに裁判所も正面から向き合った。無罪判決後に、焦った主任検事がフロッピーディスクを改ざんしたことまで明らかになり、検察史上最大の不祥事に発展した。
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(原 貴彦=撮影 PANA=写真)

