歌舞伎町の優良店舗を買い漁る中国人

「中国人だってさ、最近多いんだ」

訳知り顔の老人が教えてくれる。あちこちが撤退する中、真新しい厨房器具が運び込まれている。どうやら中国資本らしい。

「個人も企業も、中国は元気ですよ。新品設備でポンと入ってくれる」

あとで不動産屋に聞くと、企業だけではなく居抜きで入る個人の中国人もいるそうだ。コロナ禍以前、歌舞伎町はインバウンドの恩恵もあってどんなに家賃が高くても空きを探すほうが大変だった。日本人の撤退をここぞとばかり、中国人はアフターコロナのはるか先を見据えて歌舞伎町の優良店舗をあさっている。コロナをばらまいた張本人である国が先に立ち直り、いまなおコロナにあえぐ国の弱みを突いてくる。大家も金になるなら日本人だの中国人だの選んでいられない。

無料案内所の前にハッピ姿の女の子が立っている。とても可愛らしいお嬢さんだが、客の来ないままずっと立ちっぱなし。真っ昼間なのに人通りはほとんどない。花道通りがこれでは絶望的だろう。

日中の花道通り、ここでも店舗工事
写真=筆者撮影
日中の花道通り、ここでも店舗工事

立ち飲み屋では小池の悪口ばかり

「DVDあるよ」

道端で裏DVDを売っているおじさんに声をかけられる。もう令和だというのに。おじさんに話を聞こうとしたが、買う気がないとみるやそそくさと行ってしまった。みなコロナなんかより生きるのに必死。

「そんな命令誰が聞くかよ、でっかいとこはともかく、小さい店は限界だよ」

立ち飲み屋では東京都と小池都知事の悪口、8月3日から営業時間を午後10時までに短縮するように求める時短営業要請が7月30日に発表された。応じた事業者には協力金20万円が支給される。

「そんなのこの街じゃ一瞬で消える、バイト1人の人件費や保険代にもなりゃしない」

とくに鼻息の荒い客のおっさんが一人で怒ってる。

「あんなのに入れたヤツ誰だよ、ここにいねえだろうな、おまえどうだ」

串カツを頬張る私に絡んで来た。面白いので「俺は入れてないけど、366万票入ったってね」とあおってみる。

「みんなバカばっかりだ」

じゃあおっさんは誰に入れたのか聞いてみると、「さくらい」だという。桜井誠氏のことかと聞きただすと、「そうそれ」と答える。理由は都民税がタダになるからということで別に在日がどうだとかは興味がないという。というか入れる人がいなかったからとも。

「あんな連中しかいないんじゃ選べないよ」

おっさんの怒りはもっともだと適当に話を合わせて失礼する。次は小道を入ったところの小さな飲み屋、私の行きつけの副業マスターは緊急事態宣言中に店じまいを決意、いまはもう引き払っている。別の飲み屋に顔を出す。