「書くことがない」と悩む人には共通点がある、編集者の竹村俊助氏は「『自分のこと」を書こうとするから難しい。まずは他人のこと、まわりのことを発信しようとすればいい」という——。

※本稿は、竹村俊助『書くのがしんどい』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

ソーシャルネットワーキングサービスの概念
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「自分のこと」を書くことにこだわらない

「書くことがない」と悩む人には共通点があります。

それは「自分のこと」を書こうとしていることです。自分の中にコンテンツがないとダメだ、と思っているのです。

しかし自分の中に「何か」がなくても発信はできます。自らコンテンツを生み出そうとするのではなく、まずは他人のこと、まわりのことを発信しようとすればいいのです。

自分の中には何もないのです。急に哲学的な話になりますが、「自分」というのは「他者」でできています。たとえば自分のことを説明しようと思ったとき「○○県出身で、こういう会社に勤めていて、こんな町に住んでいます」と言うでしょう。このとき、出身地も会社も住んでいる町も、「自分」ではなく「他者」の話になります。

自分のことを語ろうとすると、どうしても他者を語ることになる。というよりも、他者を語ることで「自分の輪郭」が明確になっていくのです。

周りで起きたこと、自分の心が動いたことを書けばいい

ぼく自身、誰かに聞いたことをよく発信しています。

「上機嫌というのは、すなわち上質なことである」というツイートを書いてバズったことがありますが、これはキリスト教のシスターさんに聞いた話です。