被害女性はツイッターで大久保容疑者と知り合った
報道によると、林さんは2018年12月にツイッターで大久保容疑者と知り合った。知り合って間もなく、大久保容疑者が林さんの書き込みに「(安楽死の)作業はシンプルです。訴追されないならお手伝いしたいのですが」と返信すると、林さんが「『お手伝いしたいのですが』という言葉が嬉しくて泣けてきました」と応えていた。
昨年8月には大久保容疑者が「自然な最後まで導きますが」と自分のクリニックまで来るよう求めると、林さんは「ありがとうございます。決意したらよろしくお願いします」と返していた。
ALSという難病患者の心のすき間に入り込んで、多額の現金を取る行為は卑劣である。安楽死を装った殺人行為そのものではないか。2人の医師は主治医でもなく、被害女性を治療していたわけでもない。女性は死が差し迫った終末期の状況でもなかった。しかも意見を求めるべき第3者の介入がなく、行為はいわゆる密室で行われた。
逮捕された大久保容疑者と山本容疑者に医師としての高い倫理観があるとはとても思えない。
山本容疑者には医師免許の不正取得疑惑が浮上している
大久保容疑者は北海道出身で、青森県の弘前大医学部を卒業後、厚生労働省で医系技官として働いていたが、10年前に退官。2018年に宮城県名取市でクリニックを開業している。
妻は元衆院議員の大久保三代氏(43)だ。大久保容疑者が連行された後、三代氏は報道陣に「京都にはアルバイトで行っていたと思うけど、そこで何をしていたかは分からない。事件のことは知りません」と話していた。
一方、山本容疑者は泌尿器科が専門で、東京都内でクリニックを経営している。2015年には大久保容疑者と電子書籍「扱いに困った高齢者を『枯らす』技術」を出版していた。大久保と山本の両容疑者は別々の大学出身だったが、大学時代に研究の仕事を通じて知り合った。
この山本容疑者には医師免許を不正に取得した疑いもある。山本容疑者は東京都内の医科大学に一時在籍した後、10年前に海外の大学医学部を卒業したとして医師国家試験を受験し、医師免許を取得した。しかし、京都府警がこの海外の大学に確認したところ、卒業を確認できなかった。現在、厚労省が調査している。