思考停止という“生活習慣病”

【50代を後悔している理由6位】「ちょっと充電してから考えます」……“思考停止病”になっていた

長年、組織で生きてきた結果、「思考停止という生活習慣病」に罹患している50代は、軽く8割を超えるのではないでしょうか。

「思考停止病」とは、何かを考えるとき脊髄反射的に、

「会社はこう考えてるだろうから、私としては~」
「部長はこう思うだろうから、私は~」

と、なってしまうことです。

「役員はどう思うか」、「本部はどう判断するか」、「(顧客の)A社はどう判断するか」、と斟酌し、慮る日々が何十年も続いてしまうと、そこから解き放たれた自由な発想ができなくなります。

日本はとくにこの傾向が強いので、「自由に考えていい立場になったんですよ」と言われても、「そもそも『自由』ってどういうことだっけ?」と、戸惑ってしまうわけです。だから、「50代を卒業したら、何をしたいですか?」という質問に、組織人としてではなく個人として答えられる人が少ないのです。そのため、「えーと、ちょっと充電しながら考えますよ」なんて答になるのですが、これが「思考停止病」の顕著な例です。

なお、先に見てきた「9位」、「10位」は、この亜種と言えるでしょう。

自分こそが「妖精さん」だった

【50代を後悔している理由5位】「働かないオジサン(オバサン)」になってしまった

これは、現役の50代の後悔の話になります。

歴史の長い大手企業では、下の世代や若手社員から「働かないオジサン(オバサン)」と揶揄される50代が増えています。20代向けのキャリアプラン研修などでは、朝しか存在を確認できないことから、「妖精さん」という奇妙な呼び方まで登場する始末です。

若手の間では、「ITリテラシーが低く、新しい技術についていけないシニア社員のおかげで、自分たちの負担が増えている」という不満が募っています。

「そういう生産性の低いシニアの年収が、自分たちよりずっと高いのはどういうわけだ」と、平然と言います。

「俺は『働かないオジサン』ではない」と自分に言い聞かせる反面、心のどこかでは、「そう思われても仕方ないな、もっとキャッチアップしておけばよかった」という後悔をしている人も、数多くいるようです。