安倍政権の不支持率は約50%…強い風当たり

「東京のある議員に聞くと、(自民党への風当たりは)3年前の都議選の時に似ているという方がいた。3年前は街頭に立つと批判ばかりだった。その時と似ているのはかなり厳しいということだ」。6月25日、石破氏は自身が率いる派閥の会合で、このように強い危機感をあらわにした。

朝日新聞が6月20、21日に実施した全国世論調査によると、安倍内閣の支持率は31%で、不支持率は52%。円安・株高を誘引したアベノミクス効果に加え、保守層を喜ばせる強い外交・安全保障政策で高い支持率を維持してきた安倍政権だが、今年に入って、その「貯金」は失われた。内閣支持率は前回の同調査(5月)で2012年末の発足以来最低となる29%を記録し、「危険水域」から脱することができない厳しい状況が続く。ちなみに、石破氏が指摘する2017年夏の同調査(7月)では支持率が33%、不支持率は47%で、現在の「風当たり」の強さがうかがえる。

安倍政権への痛快な批判が高評価の石破氏だが…

「今まで何が間違っていて、それをどのように変えるのか。きちんと言わないと、ますます信頼がなくなってくる」
「質問と違う答弁をしたり、閣僚席からヤジを飛ばしたりすれば国民は納得しない。自民党は終わってしまうという危機感を持っている」

安倍政権のコロナ対応や、総理に近い河井前法相夫妻の事件、「賭けマージャン」発覚で辞職した黒川弘務前東京高検検事長の問題などをめぐる石破氏の批判は痛快で、その「石破節」に共鳴する人々も多い。読売新聞の世論調査(6月5~7日)で「次の総理にふさわしい」自民党の政治家トップは石破氏が26%とトップで、毎日新聞と社会調査研究センターが6月20日に実施した全国世論調査でも1位に輝くなど存在感を発揮している。

「任に堪えないなどと無責任のことが言える立場にはない。そのための努力も常に己を鼓舞しながら、やらなきゃいかんと自分に言い聞かせている」

今月2日の講演では、「ポスト安倍」への強い意欲をこう表現した。