意外と知られていない「英語1教科」で入れる難関大学リスト

「英語は大学受験でもっとも重要な科目です。文系理系ともに配点が高い傾向にあり、最近は入試制度の多様化で、英語1教科または英語を含む2教科で受験できる大学が増えています」

そう語るのは、英語教育に強い大学予備校、トフルゼミナールの加藤芳明氏だ。

「1教科入試は、英語以外にほとんどありません。英語力が高ければ、多様な選択肢があるといえます」

たとえば青山学院大学の文学部英米文学科、国際教養大学は英語1教科のみで受験可能。国際基督教大学は英語と総合教養科目で、慶應義塾大学総合政策学部・環境情報学部なら英語と小論文のみで受験できる。

「3教科型の私立大入試でも、英語ができる人に有利な制度が増えています。明治大学の経営学部はGTECやTOEFLなど英語の外部試験のスコアによって加点を受けられます。また、学習院大学国際社会科学部では、外部試験のスコアを個別試験の英語の得点に換算して合否を判定する制度があります。難関私立大の入試は、合否ラインの1点に多くの受験生が並ぶため、加点措置は非常に大きいですし、外部試験を得点換算する制度は、他教科の学習に時間を割けるので大きなアドバンテージです」

英語ができると、受験はこんなにお得

時間をかけて英語の学習に取り組む必要がある

こうした背景には、大学が教育・研究力や国際性を高めるために、高い英語力を持った学生を求めていることがあるようだ。

「英語ができる人材は、研究の世界でも、就職面でも即戦力として活躍できます。そうした学生を獲得すべく、慶應義塾大学総合政策学部・環境情報学部や早稲田大学政治経済学部などには、4年間の授業を英語で行うコースがあります。海外の有名教授を招いて講義を行うなど、手厚いサポートが受けられます」

今後は大学入学共通テストでも英語の4技能試験(読む、聞く、話す、書く)が導入される予定で、入試での英語の重要性が増していくとみられる。

「今までの読解中心の試験なら短期間の暗記で乗り切れたかもしれませんが、4技能の習得には時間がかかるため、以前のような付け焼き刃の学習方法は通用しません。大学受験を見据えて、時間をかけて英語の学習に取り組む必要があります」