計500着もの手作りガウンを医療関係者へ

やはり、注目を集めたのは、社会福祉法人「恩賜財団済生会」に手作りのガウンをプレゼントしたことだろう。

5月15日の夕方、宮内庁職員から、「秋篠宮ご一家と職員で、ビニール製の医療用ガウンを作ったので、これからそちらにお持ちします」と、済生会に連絡があった。

ここは明治44年、医療によって生活困窮者を救済しようと明治天皇が設立した日本最大の社会福祉法人である。

秋篠宮は2013年4月から名誉総裁に就任。全国で病院や診療所を運営していて、新型コロナウイルスの感染患者を受け入れている。

秋篠宮家と従業員たちで、ポリ袋と養生テープを使って感染症患者を治療する医療従事者のための「特製ガウン」を作ったというのである。

「職員が届けてくださった段ボールには100着のガウンに加え、ご一家全員と職員5名の直筆メッセージカードも同封されていたのです」

そう、週刊女性(6/16号)で、事務局の広報担当者が話している。22日には、追加で200着のガウン、29日にも追加で200着のガウンが届けられたと、炭谷茂理事長がいっている。

このサプライズのきっかけは、5月11日に行われた、済生会関係者とのオンライン会議だった。眞子さんと佳子さんも出席したという。

3月末に新型コロナウイルスについて、秋篠宮家を訪問して報告するはずだったのに、中止になってしまったため、この日になったそうだ。

「新型コロナ」とは絶対にいわず…

この会議の中で、済生会のホームページ上に、秋篠宮から全国の医療従事者に向けた「激励メッセージ」が掲載されることになった。届けられたメッセージはかなりの長文で、炭谷理事長は驚いたという。

またその会議の中で炭谷理事長が、「中央病院から、ガウンが足りず、東京都のビニールのゴミ袋を使って手作りしている」と報告した際、両殿下は「足りないというのは困ったことですね」といい、紀子さんから、「ガウンは簡単に作れるものなのですか? 教えてください」という質問があり、後日、看護部長から作り方を宮内庁にメールしたそうだ。

作り慣れた人でも、1着作るのに15分ほどはかかるという。3日で100着というから、相当なマンパワーが必要だったはずだ。

また、両殿下は、コロナという名詞が含まれた企業などが風評被害を受けていることにも配慮して、必ず新型コロナウイルスとはいわずに、「COVID‐19」という正式名称を使っていたそうである。

秋篠宮夫妻、娘と息子たちが総出で、ゴミ袋を使って防護用のガウンを作っている姿を思うと、微笑ましくなる。

こうした中で、母と娘たちとのわだかまりも徐々に溶けていったのではないか。