新型コロナウイルスの第2波襲来が確実視されている。そこで、生活習慣の改善で免疫力を高める方法を紹介する。
菌を取り除くために手を洗う
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【感染症対策】ものをいう免疫力と生活習慣

何らかの病原体が体に侵入し、発症するものを「感染症」と呼ぶ。

感染症のなかで、私たちがかかる頻度が最も多いものは「風邪」だろう。だが風邪は病名ではなく、医学的には「上気道炎」「咽頭炎」による発熱や悪寒、鼻水、咳、のどの痛み、下痢などの症状があるときに使われる総称だ。

風邪を引き起こすウイルスや細菌は約200種類近くも存在し、風邪の原因の約9割がウイルスと覚えておこう。代表的なものに春秋に流行するライノウイルス、冬の風邪代表の従来のコロナウイルス、インフルエンザウイルス、ノロウイルスなどがある。ちなみに2009年に新型インフルエンザが流行したように、同じウイルスでも遺伝子が変異すると全く様相が異なる。

世界中で流行している新型コロナウイルスも、冬の風邪の10~30%を占める風邪ウイルス、重症肺炎を生じるSARS、MERSに続き、7番目に登場してきたものだ。

抗生物質は、溶連菌感染症など細菌によるものには効くが、コロナウイルスを含めたウイルス感染の風邪には効果がなく、根本的な治療薬はない。あるのは鼻水を止めたり、熱を下げるといった対症療法だ。インフルエンザなどの抗ウイルス薬も、ウイルスを“壊す”薬ではなく、ウイルスの“増殖を抑え”て治癒を助けるものにすぎない。

「ウイルスを退治するには、自分の免疫システムに頼らざるをえない」と、東京医科歯科大学臨床教授で、総合内科専門医の大和田潔氏(秋葉原駅クリニック院長)が説明する。

「免疫システムには、生まれながらに備わっている自然免疫と、標的が現れたときに活躍する獲得免疫と呼ばれるものがある。加齢によって、また体力が落ちると両者の免疫システムが低下します。ただの風邪も、肺炎などという侮れない状態に陥ってしまいます」

つまりウイルス感染症を予防するのも治すのも、自分の免疫力や生活習慣がものをいうのだ。マスクやうがいをはじめ、さまざまな予防法を何となく実行している人が多いかもしれない。そんな習慣を科学的視点から検証してみた。感染症対策に役立ててほしい。