子供は“三角食べ”がいい
牛丼やカツ丼などの丼物は血糖値を急上昇させる食事の代表です。先にサラダを食べるだけで上昇曲線はなだらかに変化。牛丼1杯を平らげても、先にサラダを食べるかどうかで、脂肪のつき方に差が出るというわけです。
しかも、野菜を先に食べると満足感も高まり、小盛りでも十分に感じられるほどです。丼だけをかき込むより食事時間も長くなるので、それによっても血糖値の急上昇を抑制することができるのです。
そんないいことずくめのベジファーストなら、子供の食事に取り入れたくなりますね。
しかし、成長期の子供にとって大切なのは、タンパク質、糖質、脂質の三大栄養素を中心に、栄養をバランスよくとること。野菜を先に食べてしまいおなかが膨れて、おかずやご飯をいつも残してしまうということは避けたい。
だから、おかず、ご飯、汁物などを一口ずつ食べていく、いわゆる“三角食べ”が理想的な食べ方なのです。
さらにいえば、子供はたとえ血糖値が急上昇しても大人に比べて活動量が多く、また成長にもたくさんのエネルギーを使うので、脂肪が蓄積されにくい。内臓も元気なので、すい臓の働きでインスリンがたくさん出ても、すぐに分泌を抑制してくれるわけです。
しかし、丼物や麺など炭水化物に偏りがちな現代人の食生活を考えると、野菜の効果や役割を子供のうちから知っておくのは大切なこと。
ベジファーストを実践する親の姿を見ていれば、大人になったとき、野菜を食べようと自然に意識するようになるかもしれません。ぜひ「今は三角食べ、大人になったらベジファースト」とお子さんに伝えてください。
(構成=上島寿子 イラストレーション=ヤギワタル)