なぜ「ベジファースト」はカラダにいいのか

ところで、みなさんは食事のとき、最初に何を食べるかを決めていますか? 「みそ汁から」「まずはご飯を一口」など人によってさまざまでしょう。

食事では内容もさることながら、どの順番で食べるかが非常に大切です。同じ献立でも順番によって、体に与える影響が変わるからなんですね!

私自身、実践している食べ方は「ベジファースト」です。まずサラダなどの野菜を食べてから、その後に汁物、おかず、ご飯を食べるというスタイルです。

生姜焼き
撮影=よねくらりょう 料理=伊藤晶子

野菜を最初に食べるメリットは大きく二つあります。

一つは食べ過ぎを防ぐ効果。野菜はカサがあるので、最初に食べるとおなかが満たされてトータルの食事量を抑えることができます。また、かみ応えのある野菜なら咀嚼回数も増えます。かむことで脳の中枢が働いて、それもまた食べ過ぎ防止に役立ちます。

もう一つの役割は、血糖値のコントロール。血糖値とは血液中に含まれるブドウ糖の濃度です。食事をするとご飯やパンなどの炭水化物が体内でブドウ糖に変わり、血液中に吸収されて血糖値が上がります。このとき、食物繊維を含む野菜を先に食べておくと、ブドウ糖の吸収が遅くなり、血糖値の上昇を緩やかにすることができるのです。

では、なぜ血糖値の上昇を緩やかにしたほうがいいのでしょう。

関係するのは、すい臓から分泌されるホルモン「インスリン」です。インスリンはブドウ糖を細胞に取り込んでエネルギー源にかえてくれて、血糖値を正常値に戻してくれます。しかし血糖値が急上昇しインスリンが過剰に分泌されると、ブドウ糖を脂肪にかえてしまうのです。血糖値の急上昇は、体に脂肪がつきやすくなり、太りやすくなってしまうのです。