緊急事態宣言中もコールが響いたホストクラブ

新宿駅すべての終電が終わり、歌舞伎町の本当の夜が始まる。

路地のホストクラブからは深夜もコールの声が響く
路地のホストクラブからは深夜もコールの声が響く(筆者撮影)

6月中旬の歌舞伎町、私は今日も朝までこの街を徘徊はいかいする。30年来当たり前の行動だが、ひとつ違うのは各所でコロナウイルスによるクラスターが起こっていることか。もっとも今だから書くが、緊急事態宣言の間も路地の小さなホストクラブからコールの声が響いていたし、デリヘルの車は女の子を乗っけて待機していた。もちろん大半は自粛していたので数そのものは少ないが、国も自治体も民間の経済活動に介入することは不可能だ。誰も助けてくれやしない世界で生きる人にとってはこれが現実である。

「命令するったってどこにすんのかね、歌舞伎町は夜の商売やってりゃみんなかかってんじゃないの?」

花道通りの道端に立っている男が腕組みで話してくれた。他に2人、何をしているのかと聞いたら「ないしょ」と言われた。ここに立つのは内緒の人ばかり。それでもしゃべってくれる人は貴重なのでいろいろ聞いてみる。

「ホストったってピンきりだからおっきいとこはともかく小さいとことか、ホストもどきも含めてコロナとかわかんないでしょ、デリなんかもっとわかんない」