<strong>青山フラワーマーケット エキュート品川店 店長 宮崎大作</strong>●入社5年目の29歳。前職はブライダル専門の生花店。「同僚はアルバイト、社員問わず、皆楽しそうでキラキラしている」と話す。将来は独立を目指す。
青山フラワーマーケット エキュート品川店 店長 宮崎大作●入社5年目の29歳。前職はブライダル専門の生花店。「同僚はアルバイト、社員問わず、皆楽しそうでキラキラしている」と話す。将来は独立を目指す。

青山フラワーマーケットエキュート品川店の宮崎大作店長は、そう言い切る。徹底した顧客目線に立ち、お客が楽しめる店にすれば、結果的に売り上げもついてくると信じるからだ。

このエキュート品川店は、ギフト用の花束を買いに、会社帰りに立ち寄る男性客が少なくない。そこで人気を集めるのが、持ち帰るのに便利な箱入りのブーケ。満員電車でも花を傷める心配がないばかりか、花を抱え持つ照れくささから解放され、ギフトらしい見栄えのよさもある。お客の立場を考え抜いたからこそ生まれた商品だ大きさや花の種類を変え、350~1500円の手頃な価格であらかじめアレンジしたブーケと、お客が自分で好きな花を手に取れるシステムは、このチェーンの象徴としてすっかり定着した。一方で、青山フラワーマーケットの店頭には、一般的な生花店に必ずあるものが見当たらない。例えば花を長持ちさせるための大きな保冷ケース、そしてドライフラワーなど、売れ残った花で利益を挙げるためのリサイクル商品もない。さらに鮮度の落ちた花を売り切るための値引きもしない。他店では経営効率化のために必須とされるこれらの約束事を一切やめ、代わりに「鮮度のよい花を早く売り切る」のを旨とする。その徹底ぶりは普通ではない。

青山フラワーマーケットの花の廃棄率はわずか3%。他店では10%を超えるケースがほとんどと聞けば、それがいかに低い数値であるかがわかるだろう。それが功を奏してか、同チェーンの営業利益率は業界平均よりプラス4.3%(04~08年の平均値)と、高い収益を挙げている。

(小原孝博=撮影)