「花を早く売り切る」のは、無駄の削減につながるだけではない。新鮮な花をいち早くお客に届ければ、買った後の花持ちが長くなり、お客の満足度が上がる。当然リピート来店が増加する。保冷ケースに入れれば店での日持ちはよくなるが、長く店に置いた分、お客のもとでの持ちが悪くなる。そんな花ではお客は離れてしまうだろう。そして今までは、それがごく当たり前の生花店の姿だった。

<strong>一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授 大薗恵美</strong>●一橋大学で博士号を取得。一橋大学助手、早稲田大学客員講師、一橋大学大学院専任講師、准教授などを経て、2010年より現職。専攻は競争戦略論、イノベーション・マネジメント、組織学習を中心とした組織論。優れた競争戦略を実践する事業を表彰する「ポーター賞」の運営委員。
一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授 大薗恵美●一橋大学で博士号を取得。一橋大学助手、早稲田大学客員講師、一橋大学大学院専任講師、准教授などを経て、2010年より現職。専攻は競争戦略論、イノベーション・マネジメント、組織学習を中心とした組織論。優れた競争戦略を実践する事業を表彰する「ポーター賞」の運営委員。

「青山フラワーマーケットの強みは、他店とまったく違う『第三の花屋』のカテゴリーを創出したこと」と語るのは、一橋大学大学院の大薗恵美教授だ。大薗教授は、経営学者マイケル・ポーターの名を冠した「ポーター賞」の運営委員会メンバーの一人。同賞は独自性のある戦略を確立した企業や事業を評価する賞で、青山フラワーマーケットはユニクロなどと並び、09年にポーター賞を受賞している。