広告 確率論でもいえる。うちは筆記試験を課していて1万人ぐらい受けにくる。筆記試験の合格者を対象に面接するわけだけど、大学の偏差値とイコールで、有名校の学生が多い。でもそこから先は学歴不問かといえば必ずしもそうではない。学校をある程度見ている。そうしないと、最後に残ったのは慶大が半分だったということになりかねない。

食品 それはありうる。たとえば女性が受けにきて、この子は優秀だからいいねと選んでいけば、ほとんどが東大だったということになれば逆に困ってしまう。ある程度、社会的影響も考慮し、大学のバランスを見ながら採用している。もう1つの理由として採用は1年で終わりではないし、いろんな大学から、まめに採っておかないと、先輩がいないから受けにいかないということもある。

電機 うちも筆記試験合格者の比率は有名校が多いし、合格者の多いところが最終的に内定者も多くなる。東大、慶大の採用者が多いのは、筆記試験合格者の母数が多いからなんだ。たとえば東大にしても筆記試験の受験者は少ないが、合格率は他の大学に比べて圧倒的に高い。筆記試験科目は英語を含む外国語と国語、理数系の科目だけど、受験勉強とまったく同じ科目ではないが、ひらめきとかの地頭のよさも試される。最終的に総合点で決まるが、科目の最低点をクリアしないといけない。結果的に全体の合格率は50%以下だね。もちろん、東大でも落ちる学生はいるからね。

化学 正直言って筆記試験は大事だよ。うちは最初面接して、いいなあと思う学生に筆記試験をやらせているが、それでも満足に字が書けない学生がいる(笑)。まあ6割ぐらいの点数は取ってほしいと思うけど30点以下だとがっくりくる。仮にも就職しようというなら当然試験があるのはわかっているはずだが、やさしい試験でも落ちる学生は必ずいる。

広告 日東駒専の学生でもいい学生は採りたいけど筆記試験をやると落ちる確率がどうしても高くなってしまう。たとえば東大の合格率が70%であるとすれば日東駒専は10%以下になる。

(宇佐見利明=撮影)