家主ネットワークを作るのも有効だ

情報収集の方法は、販売業者によるセミナーと書籍ばかりではない。近年全国的に増えている「家主の会」に参加してみるのも有効だ。「家主の会」とは、家主が主催する家主のための仲間づくりの会であり、弊社が把握しているだけでも全国に100近くある(本書の「全国の主な家主の会」参照)。

講師は、弁護士や税理士、建築士など会のメンバーの顧問先の士業の専門家、自身の賃貸経営を語る家主、新しい商品やサービスの紹介及び市場トレンドなど不動産業に関連する業者が話すケースもある。

最も特徴的なのは、家主自身による講演が多いことだろう。家主自身による成功談や失敗談、自らの経験に基づいた経営姿勢などのリアルな話は大いに刺激になる。勉強会を行う会では、たいてい懇親会も行っている。会に参加し仲間をつくることで、家主同士だからこそ入ってくる情報が得られる。同じ家主として悩みを相談できる人たちもいる。仲間の輪をつくることで、良心的な不動産会社を紹介してくれたり、金融機関を紹介してくれたりもする。こうした家主のネットワークは貴重だ。

こうして情報収集のルートを増やしていくと、今度はさまざまな投資手法があって迷ってしまう人も多い。迷ったときは、自分が収益不動産を購入する目的を明確にすること、そしてその情報が本当に有効なモノか、怪しいモノかを見極める力が重要になってくる。その2つさえきちんと持っていれば、大きく失敗することはない。

家主仲間の存在は「情報の鵜吞み」を防止できる

不動産情報は、基本的に不動産会社から得るケースが多い。新築であれば、新築不動産の販売会社、中古であれば仲介会社か、再販会社だ。家主の仲間がいない人の場合、不動産について教えてくれる人は不動産会社の営業マンしかいないため、つい彼らの話を鵜呑みにしてしまいがちだ。

「自己資金ゼロでも買えます」「初心者で不動産について知らなくても大丈夫。私たちがサポートします」「ここでしか手に入らない物件情報があります」などなど……。営業マンはこうしたトークで不動産販売の営業をする。この3つのトークだけで、不動産購入の障壁は低く、素人でも簡単に始められるものだと思ってしまう人も少なくない。

しかし、ここまで本論を読んだ読者の方たちであれば、これらのセールストークに問題があることに気づくだろう。