企業風土を「5つの軸」で判断する
企業には、その会社特有の仕事の進め方があります。これが社風やカラー、企業文化、価値観などによく結びついています。そこでまず、「仕事の進め方」を5つの軸に分解してみる。この癖をつけることがまずひとつ目のコツです。
5つの軸の中身は、前著『面接の10分前、1日前、1週間前にやるべきこと』(プレジデント社)で、自己診断法として上げた内容とほぼ同じものです。
具体的に言うと、以下の5軸です。
(1)スピード⇔緻密
(2)情を優先⇔合理性を重視
(3)よく考えるか⇔まず行動か
(4)目立つ、競争⇔協調・仲よく
(5)創造・革新⇔安定・秩序
これを整理すると、右の表のようになるでしょう。
なぜ、この5軸が必要か。これは以下のような例を見るとわかるはずです。
たとえば、よく会社の風土を「体育会系」などと表現することがあるでしょう。しかし、この言葉はとても曖昧です。
体育会系といっても、考えるよりも行動を重んじる(3)軸の「行動」のことなのか、はたまた、上司や先輩の言うことに素直に従う(5)軸の「秩序」のことなのか、わかりません。このほかにも、集団行動((4)軸の「協調」)を指す人もいれば、理屈ではなく情の世界((2)軸の「情」)と受け取る人もいます。つまり、人によってどうとらえるか、何を指しているかがはっきりしない言葉なのです。
つまり、日常的に使われる人柄や性格を表す言葉は、人により受け取り方が違うため、危険なのです。そこで、間違いなく意味が伝わるように、まず、この5軸に分解して考える、ということが必要となります。
逆に言うと、会社研究とは、この5つを知るだけのこと。こう考えるとずいぶん楽になると思いませんか?