まず、人材ビジネスのプロのひとつ目のワザがここにあります。

なお、本書では企業研究としてこの5軸を活用しています。「自分を知る=自己診断」としての5軸の活用法については、前著『面接の10分前、1日前、1週間前にやるべきこと』をご参照下さい。

ここまで書いても、就職指導を常日頃しているキャリアセンターの人や、就活終盤戦入った学生からは、まだこんな疑問を投げかけられると思います。

「その5つをどうやって調べるのですか?『御社は、情で動く企業ですか、理が勝つ企業ですか』なんて聞けないし、しかも、そういう話は、業界研究本にも企業のホームページにも全く書いてないじゃないですか」

そう! そのとおりなのです。多くの就活本にはこのいちばん大切なことが書かれていない。だから、結局「仕事内容」でしか選べなくなる。それが大間違いなのです。

さあ、ここからが本番です。企業ごとにどうやってこの5軸を判断するのか?

正攻法としては、OB訪問や実際の応募面接の場で質問する方法が、あげられるでしょう。もちろん、これはおすすめではあります。しかし、それは受ける企業を決めたあとの話であり、最初にどの企業を受けようか迷っている段階では、役に立ちません。

ここで、プロのワザを手ほどきいたしましょう。

秘訣は、その会社がどんな事業をしているか(生業=なりわい)に着目するのです。ここから先は、理論を述べるよりも、実際に生業と5軸を掛け合わせてどんな答えがでるのか、次回から具体的に見ていくことにしましょう。

 ※この連載では、プレジデント社の新刊『2社で迷ったらぜひ、5社落ちたら絶対読むべき就活本』 (1月21日発売)から一部を抜粋して<全6回>でお届けします。

(澁谷高晴=撮影)