新司法試験では「法科大学院修了から5年以内に、3回の受験で合格しないと受験資格がなくなる」という“三振制度”が設けられている。実はこの卒業試験についても「3回の受験で合格しなくてはいけない」(最高裁判所)という同様の措置がとられているのだ。一難去ってまた一難。なんとも厳しいプラチナ資格の制度である。
そして、ようやく手にした弁護士バッジだが、以前ほどの重みはない。初年度から1000万円が保証された大手渉外事務所に入れるのは、同期のなかでも上位10%ほど。2010年末に修習を終える修習生の約4割は、いまだに就職が決まっていない。
「過払い金専門事務所の電話相談業務を請け負い、成約1件で5000円を稼いで糊口をしのいでいる若手弁護士がいるほどだ」と弁護士の就職事情に詳しい中堅弁護士はいう。
なお、弁理士試験は2009年と同様、東大、京大、阪大、東工大、早大といった理系の偏差値上位校が五指に入っている。また、建築関係の学生数が並外れて多い日大の一級建築士試験ナンバーワンの地位も揺るがない。
(ライヴ・アート=図版作成)