企画書や参考書へのメモも、アナログが基本です。ノートに書き移すのではなく、該当する文章の脇に直書きすることで、当該書を見返したときにメモしたことも思いだせます。お客様からのクレームも伝言ゲームにせず手書きにすることで、リアルな声を伝えやすくなります。
部下への指示は最大3つまで
私の会社では、社員全員に配布している手帳型経営計画書があります。必要最低限の文字量で、サイズは持ち運びに便利なB6変型サイズ。いつでも読めるようにしています。
最初は聖書のような厚みで重さもある手帳でしたが、持ち運ぶのはおろか、引き出しの奥にしまわれ、誰も読まなくなってしまった。だから薄くて軽くて小さいサイズに変えました。その分内容も洗練されましたので、覚えやすくなりました。
手帳型経営計画書には、「社員はこうあるべきこと」という内容を書くのではありません。「社長が何を実現するか」を書くべきです。社長は社員に何かをお願いする立場ですから、指図ではなく社長の目標を表明し、実現へ向けて共に歩んでもらいます。さらに経営計画には社長の実印を押すこと。最終的な責任者は社長であり、会社が窮地に立たされたときは全財産をつぎ込んでも皆を守ることを示し、社員に思いきり働いてもらうためです。
どんなにシンプルな指示や目標でも、可能な限り、口頭ではなく紙に書き出します。紙に書かなければ実行しないからです。たとえば私が社員に「残業しないで早く帰りなさい」と言って社員が「はい」と答えたとしても、その場合の「はい」は往々にして「聞こえました」の意味にすぎず、実行するという意味ではありません。ところが「残業○○○時間を超えた場合は賞与査定を下げる」などと明文化し紙に書き出すと、きちんと実行されます。
社員へ指示を出すときのメモも、必要最低限に。多くの指示を出した場合、覚えられない社員が増えますし、どの情報もぼやけてしまいます。
1度に出していい指示は、最大3つまで。それも簡単な言葉で。難しいことを10言って覚えられず実行できないより、簡単な3つを覚えて実行してもらったほうがいいでしょう。