米ウォルト・ディズニー社会長で前CEOのロバート・アイガー氏は、もともとはABCテレビの社員だった。組織の最底辺で昼メロの雑用係をやったこともあるという。なぜそこからCEOに上り詰めることができたのか。アイガー氏が守り続けてきた「リーダーシップの10の原則」とは——。

※本稿は、ロバート・アイガー著、関美和訳『ディズニーCEOが実践する10の原則』(早川書房)の一部を再編集したものです。

2012年6月5日、食品広告についての新基準を発表する、米ウォルト・ディズニー社会長でCEO(当時)のロバート・アイガー氏
写真=EPA/時事通信フォト
2012年6月5日、食品広告についての新基準を発表する、米ウォルト・ディズニー社会長でCEO(当時)のロバート・アイガー氏

これは「世界一幸せな仕事」だ

私は同じ会社で45年も働いてきた。最初の22年は全米ネットワークテレビ局のABCで働き、1995年にディズニーがABCを買収してからの23年はディズニーで過ごしてきた。そしてこの14年間は、CEOという人もうらやむ仕事についている。ウォルトが1923年にディズニー社を創立して以来、CEOは私を含めて六人しかいない。

これまでには難しいことも、悲劇的な出来事もあった。だが私にとってディズニーの経営は、誰かの言葉を借りれば「世界一幸せな仕事」だ。私たちは映画、テレビ番組、ブロードウェイ・ミュージカル、ゲーム、衣装、おもちゃ、そして書籍も作っている。またテーマパークやアトラクション、ホテル、クルーズ船も建設し、運営している。世界中の14のパークでは毎晩、パレードやショーやコンサートを行なっている。私たちの仕事は楽しい体験を作り出すことだ。これほど長いことディズニーで働いていてもいまだに、「これは夢だろうか? どうしてこんな幸運に恵まれたんだろう?」と思うことがある。

ディズニーランドではその昔、チケットの種類と値段がアトラクションの人気順にAからEまで分かれていて、一番人気のアトラクションに乗れるチケットはEチケットと呼ばれていた。ディズニーでの私の仕事はまさに、Eチケットだった。ウォルト・ディズニー・カンパニーという巨大な人気アトラクションに14年間乗り続けているように感じている。