不景気は過去の甘さを考え直す機会でもある。経済危機の効用としての企業の改革には、2つの方向性が見られる。改革への取り組みでの苦労こそが人間の問題解決能力を引き出すと筆者は説く。

不況を機に生まれたコンビニと宅配便

景気循環が経済にはつきもので、その循環の中で不景気になることには前向きの効用がある、と喝破したのはシュンペーターであった。不景気が過去の甘さを考え直す機会をもたらし、また新しい方向へと踏み出すための背中を押すからである。

今回の経済危機は、ふつうの景気循環よりはさらに厳しいものである。世界経済の構造変化すら予感させるもので、単純な循環過程ではないことを多くの人が感じている。だからこそ、シュンペーターが言った以上に、大きなインパクトを持ちそうである。それを、正しい方向への大きな一歩につなげられるか、それとも周章狼狽して混乱に拍車がかかり、さらに破滅への道を歩むか。経営のかじ取りがまさに要になっている。