繁盛店は「商品の原価率は30%にするべし」という鉄則を無視する

利益率の低い集客商品でお客さまを集める一方で、利益獲得商品を用意し、こちらで確実に利益をとります。

日本の居酒屋メニューの様々な料理
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利益獲得商品は原価率が15パーセントないし、20パーセントを切るくらいの商品もので、きちんと利益が取れるように設定します。理想をいえば、集客商品とセットで注文されるようものが望ましいです。

※原価率は「原価÷販売価格」、利益率は「利益÷販売価格」で計算する。

飲食店業界には「商品の原価率は30パーセントにするべし」という鉄則みたいなものがあります。私は単なる幻想だと思っているのですが、これを信じ込んでいる人が多い。

たとえば、原価100円のものを450円くらいで売りたいのだけれども、原価率は30パーセントでなければならないと思っているから300円で売ってしまうということがよくあります。ほとんどのお店で行われていることです。

こんなことをしていては、儲かるものも儲かりませんし、利益を上げることはできません。商売はいつまでもしんどいままです。

しんどいだけではやっている意味はありません。「ビジネスなのだから、儲けるところはきちんと儲けましょう」というのが、私の言いたいことなのです。

たとえば、お客さまから3000円いただきたいということであれば、3000円に匹敵する価値を提供するという発想が自然に出てくるはずです。あるいは、4500円いただきたいというのであれば、お客さまが4500円払っても満足する、あるいは4500円払って得した気分になるような価値が高いものを提供すればいいのです。それができれば、「あのお店はすごいよ(価値が高い)」という評判が広まるのです。

つまり、お客さまの期待以上の価値を提供する、それが儲かる仕組みなのです。

よくいわれている「原価率30パーセント」というのは、「集客商品や利益獲得商品などすべての商品をまとめて計算すると、最終的にそれくらいの原価率に落ち着くことが多い」というくらいのとらえ方で十分です。