オフィスワーカーだけの話ではない

「デスクワーク症候群」という言葉の文字を見ると、“オフィスワーカーだけの話”と捉えられてしまうことが多いのですが、まったく違います。

酒井慎太郎『絶対に疲れない体をつくる関節ストレッチ』(KADOKAWA)
酒井慎太郎『絶対に疲れない体をつくる関節ストレッチ』(KADOKAWA)

デスクワークをしている人たちには、「前かがみの悪い姿勢で座り、関節を動かさない姿勢を長時間続ける傾向がある」ため、便宜上「デスクワーク」という言葉を使ったということです。実際、デスクに向かわなくても、こうした仕事のスタイルで働いている人は、たくさんいると思います。

例えば、次のような人たちです。タクシー・バス・トラックなどの運転手を筆頭に、マンションや駐車場の管理人、銀行や公共施設などの窓口の人。あるいは、美術館の館内にいる学芸員、宝くじ売場の販売員など。こうした業務は、私が普段見かける範囲でも「座っている時間が長いだろうな」と考えられる仕事です。

専業主婦や仕事を引退した人なども、日中のオンタイムに座っている時間は長い傾向がある気がします。仮に、ソファやじゅうたんに寝転がって、同じ姿勢でテレビを見続けているとなれば、結局は関節を動かしていないのですから、デスクワーク症候群とほぼ同じ状態なのです。さらに言うと、反対に「立ちっぱなし」であっても、関節を動かさないケースはかなりあるはずです。

そうしたケースに自分が当てはまると感じたら、デスクワーク症候群とほぼ同じと考え、関節疲労に注意していただきたいと思います。

テニスボールを使ったストレッチで疲れ解消!

そこで、お勧めしたいストレッチが「腰のテニスボールストレッチ」です。ポイントになる関節は、腰にある仙腸関節です。この関節は、全身にあるすべての関節の中で最も重要なレベルに属します。それにもかかわらず、動きの幅が非常に小さく、カギをロックしたかのように固まって動かなくなることさえある関節です。

だからこそ、「腰のテニスボールストレッチ」を習慣化し、万全の疲労対策を取っていただきたいと思います。