在宅勤務のデメリット「運動不足、精神的負担、意思疎通が難しい…」

新型コロナ対策として1月27日から約4000人の社員の在宅勤務に踏み切ったGMOインターネットグループは1カ月以上経過した3月4~5日に実施したアンケート調査を公表している(3月16日)。

ビデオ会議のビジネスチーム
写真=iStock.com/Ridofranz
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それによると、通勤負担の軽減などのメリットも多くあったものの、デメリットや課題が浮かびあがっている。

たとえば「腰痛など身体的負担、運動不足、精神的な負担」や「業務効率が低下、時間管理が難しい」という声が上がっている。また「同僚・他部署パートナーとの意思疎通が難しい」といった在宅ゆえのコミュニケーション不足も指摘されている。

実際に長期の在宅勤務を続けると、どんな弊害が発生するのか。

数年前にIT企業が営業部門のセールスエンジニア職などを対象にテレワーク参加者を募集した。

会社に行くのは週1回のミーティングのみで、あとはテレビ会議を通じて必要な打ち合わせ行う。人事評価の基準は「顧客との成約」などの目に見える成果が中心になる。当初、20代後半から30代の多数の社員が手を挙げた。

その一人の30代のA氏は「結局、仕事のコントロールなど自己管理が難しく、3カ月もたたずに挫折しました」と語る。自己管理ができないだけではなく、仕事や会社に対する意識にも大きな影響を及ぼすようになったと言う。

「会社を辞めたい」「別の部署に異動したい」社員続出、組織は崩壊

「チームを離れて仕事をしているうちに、『この仕事は自分がいなくても誰でもできるんじゃないか』と思う人が増えました。また、チャット上でのやりとりばかりで、結果的に個人のパフォーマンスが目立つようになり、マネジャーは『君の数字が足りていないね、誰がカバーしますか』というチャットばかり。前向きの議論はしなくなりました。その結果、かなりの人が『会社を辞めたい』『別の部署に異動したい』と声を上げるようになり、組織は崩壊しました」

在宅での仕事を続けていくうちに顧客との関係でつまずくこともある。同じオフィスにいれば、誰かがサポートすることも可能だが、在宅勤務では自分で悩みを抱え込んでしまい、その失敗を引きずってしまうことがあった。