ターゲットとエリアをとことん意識したビジネスモデル

スタッフも全員が女性、1回30分のコースを予約なしで好きなときに行けて、普段着のまま運動できるとあって人気になっています。プログラム内容も、無理なく続けられる有酸素運動、マシンによる軽い筋力運動、ストレッチとハードなものではなく、年齢を重ねても健康増進のために女性が長く通えるようなものになっています。

月額7000円前後で、月に何度でも通えます。時間は午前10時から13時、午後は15時から19時まで、土曜は午前中のみ、日曜祝日は休みという形態が基本です。年齢層の高い女性が夜遅くに通うことは考えにくいですから、長時間営業をする必要がないというわけです。

カーブスも、エニタイムフィットネスと同じように、プールもなく、マシンを使った運動がメインなので、そんなに広いスペースは必要がありません。そのため、ビルの1フロアやマンション1階の店舗スペース、ショッピングセンター内、コンビニだった店舗を改装して出店したりしています。

出店数が多くても競合しない「商圏の狭さ」という強み

23区で一番店舗数が多いのは世田谷区の16店舗です。大田区の11店舗、江戸川区と練馬区の10店舗、以下、板橋区、足立区、杉並区、江東区と続きますが、この出店傾向は区の人口量に沿っていると感じます。人口量が一番多い世田谷区が最も店舗数が多く、最も少ない千代田区に1店舗もないというのは、商圏のセオリー通りに出店を重ねている証拠でしょう。

しかし、若者が集うような港区と渋谷区は2店舗、中央区には1店舗だけとなっていて、やはり都心の流行最先端のエリアというよりは、年齢層が高めの女性たちが多く住んでいるようなエリア、スペースを借りる際の家賃も比較的安いエリアに出店していることがうかがえます。

カーブスはフランチャイズ展開によって全国に店舗を構えています。これだけの数があっても競合していないような現状を見ると、意外とカーブスの商圏の範囲は狭いのではないかと私は考えています。