契約内容を大幅変更。30代テレビ局勤務の男性
テレビ局のイベントは、収益において大きな意味を持つものです。イベントを入り口とした番組の新規スポンサーの獲得、スポット広告の新規出稿など、営業ツールとしても重要な役割を担っているからです。また、テレビ局がイベントを通してリアルな場で直接顧客とコミュニケーションを持てるイベントは、局や番組のファンを増やす施策としても有効。直接的な収益以上の効果を生むチャンスなのです。
今回のコロナ不況の煽りを受け、契約内容の大幅な変更を言い渡されたキー局で勤務する30代男性によると、「4月は、イベントでのブース展示にスポンサー企業が名乗りを上げてもよい時期ですが、局側もこの時期の提案は難しい状況」と内実を語ります。
各キー局の動きで今後訪れる最悪な事態はとても深刻なものです。フジテレビの場合、協賛金だけでも夏のイベントに数十億円程度が集まることが知られています。また、本社のあるお台場は毎年外国人観光客で賑わう観光スポット。アジアからの観光客の姿を見なくなった今の東京湾岸エリアの風景が続くと、多くの人が集まるイベント会場として知られるお台場はもっとも打撃を受ける場所の一つになるでしょう。
テレビ朝日もその影響を受けています。すでに『映画ドラえもん のび太の新恐竜』の延期を発表した同局。テレビ朝日の映画ドラえもんシリーズは、ファミリー層を中心に支持を集め、毎年大きな収益源となっていました。過去には、『映画ドラえもん のび太の宝島』ではシリーズ史上最高興行収入53億円という大ヒットを打ち立ています。今回の『映画ドラえもん のび太の新恐竜』にも期待が寄せられていただけに、公開延期は売り上げの見通しが立てにくいたため、かなり痛手となります。
「雇われる側」がコロナ不況で負けない方策
こうした収束の見通しがなかなか立たない中での大幅なリストラ、訪日外国人観光客によるインバウンドの減少、各種イベントの中止が広がったことで、現在少なくとも3兆円近い“コロナ不況”が想定されています。そんなときに、雇われる側として必要とされる人材になるためにはどのような特徴を備えていればよいのでしょうか。
それは「専門性を高める」「マネジメントができる」「ファミリーと認識される」の3つに収斂されます。まず、自分の努力でできることが「専門性を高める」こと。マーケティング・財務会計・プログラミング・編集などのスキルがあることに加え、社外との豊富な人脈を持つなど、組織の中で自分にしかできない仕事をアウトプットし続けることで、所属する会社へ大きく貢献できます。
次に、組織にとって最も要になるのが「マネジメントをできる」人材になること。経験や知識、コミュニケーション能力はもちろんのこと、戦略を立て、ネゴシエーションまでこなせる能力があれば、会社組織においてはマネジャーとして重宝されます。一朝一夕に身につく能力ではないですが、コロナ不況の中でも社員のモチベーションを管理できるマネジャーは会社にとって絶対にクビにできない人材。最近ではMBAなどの資格を持ってマネジャー職を経験するビジネスパーソンも目立っています。