環境省が出しているガイドラインが役に立つ
ただし、制度が整うのを待つのでは遅いのです。ご存じのように、災害はいつやってくるか分かりません。飼い主さんが個々に備え、ふだんの生活でも防災対策をしておくことが大事です。先述した環境省の「人とペットの災害対策ガイドライン」はペットのための防災対策、避難用品や備蓄品確保などをあげており、目を通しておいて損はないと思います。
基本的な心構えのほか、例えば「同行避難する際の準備の例」として、ネコの場合には「キャリーバッグやケージに入れる」と同時に、「キャリーバッグなどの扉が開いて逸走しないようにガムテープなどで固定するとよい」などと的確なアドバイスが掲載されています。
「人とペットの災害対策ガイドライン」で想定されているのは主にイヌとネコの場合です。ではフェレットやハムスターなど、ほかの小型哺乳類の場合は何が必要でしょうか。また飼っているのが爬虫類なら、必要なものも変わるでしょう。また魚類など、連れ出すことが難しいペットについても、準備と心構えが必要になってきます。
家族全員でペットと一緒に「避難訓練」を
私がお勧めするのは、まず災害時の情報をまとめておくことです。避難指示が出た場合に備え、自治体の広報紙やウェブサイトなどで災害時の避難所の所在地や避難ルートを調べておく。さらに同行避難に備えて、「ペットと一緒に避難できるか」「飼育環境はどうなるか」など、問い合わせておきましょう。
またペットを含めた家族全員で「避難訓練」をしておくことも大切です。ケージやキャリーバッグに入れたペットと、マンションの非常階段などを伝って避難場所に行ってみる。所要時間、危険そうな場所、普段の道が通れない場合の迂回路もチェックしておきましょう。
地震は予測できないとしても、台風など事前に警報が出ているときは、当日になったらケージやキャリーバッグを用意しておきます。そのためには普段から、ペットがケージやキャリーバッグに入ることを嫌がらないように慣らしておくことも必要です。