フィンランドはサウナ大国だ。フィンランド大使館で広報を務める堀内都喜子氏は、「サウナはおもてなしにもよく使われる。服と一緒に地位や肩書を脱ぎ捨て、一体感を持って楽しむことができる」という——。

※本稿は、堀内都喜子『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか』(ポプラ新書)の一部を再編集したものです。

サウナの機器
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土曜日はサウナの日

フィンランド人の家には一軒家や広いマンションであれば、大概サウナがある。友人宅は、よくアウトドアやスポーツを楽しむので、いつでもすぐサウナに入れるよう、24時間サウナが設置されている。通常、サウナはスイッチを入れてから温まるのに30分から1時間かかるが、それを待つのが嫌な人向けの、常に温められていていつでも入れるサウナが友人の家にはあった。そこに入ってスッキリしてくつろぐ度、私も「あー週末!」と実感していたのだった。

フィンランドでは、土曜は伝統的にサウナの日だ。夕方に家のサウナを温め、家族で入って、その後にリラックスしてのんびりテレビや映画を見て過ごす。だからその時間になると古い家やサマーコテージから煙が上がりサウナを温めている様子がうかがえる。

「サウナ」は海外で最も普及しているフィンランド語だろう。フィンランド人のライフスタイルや文化を語るうえで決して忘れてはならない要素で、550万人の人口に対してサウナの数は200万とも300万とも言われている。