どんな子が入学するのかが楽しみ!
入試には合格・不合格という非情な結果がつきものだ。受験する側が学校に抱くイメージとしては、「学校=受験生ふるいにかける組織」というものがあるかもしれない。だが、同校はすごくアットホームなのだ。だから、入試の日にミスは許されないし、不測の事態にもしっかり対応できるよう準備していると、教頭の大井治先生は言う。
「たとえば、体調不良の子がいたら養護教諭から直接アドバイスをして親子ともに安心してもらった上で別室に移動して受験してもらったり、早く到着してしまった親子には暖房のきいた講堂に待機してもらって体が冷えないように配慮したり」
入試とは言い換えれば、新入生たちとの「初対面」の場である。この点を在校生たちはどう感じているのだろうか。入試会場の設営を手伝っている高校2年の生徒は受験生にこんな言葉を送る。
「この学校は明るくて優しい人たちばかりなので、ぜひ来てほしいと思います。入試のときはリラックスしていままでの勉強の成果を出してほしいですね」
入試に臨む受験生は緊張しているだろう。しかし、保護者や塾だけでなく、学校側も当日の試験がうまくいくよう、受験生たちを応援しているのである。そのことがよく理解できた取材だった。