上がり続けている初産の平均年齢

手始めに、いくつかの事実を挙げましょう。子供を希望する全カップルのおよそ75パーセントは、半年以内に妊娠し、85から90パーセントは1年以内に妊娠します。“不妊”の定義は、避妊せずに性交しているのに妊娠しない状態が1年間続くこと。これは全カップルのおよそ10から15パーセントに当てはまりますが、話はそこで終わりません。

不妊とされたカップルのうち、半数は次の1年間で自然に妊娠します。この人たちは不妊ではなく“不妊症ぎみ”に分類されます。子供ができにくいけれど、時間をかければ妊娠できる人たちです。全体で、異性愛の人たちのおよそ95パーセントは、時間の制限がなければ通常の性交を経て子供を持つことができます。

次に年齢という問題があります。女性の社会進出が進み、一般的になるにつれて、初産の平均年齢は着実に上昇を続けています。2014年、ノルウェーのオスロに住む女性の初産の平均年齢は30.8歳でした。アメリカでは、2000年には24.9歳でしたが、2014年には26.3歳に上昇しました。

初産の年齢が以前より上がっている主な理由は、学歴が高くなったこと、子供を産む前にキャリアを築こうとする人が増えたこと。一方で、医学界は女性に向けて警告を発しています——年齢が上がるにつれて自然に妊娠する確率が目に見えて低くなるというデータを示し、出産を先延ばしにする前によく考えましょうねと促しているのです。

年齢が上がっても妊娠率はそれほど下がらない

これには根拠があります。そのうちの一つを挙げると、母親の年齢が高くなるほど妊娠合併症のリスク、子供に先天性の異常が生じるリスクが増すからです。問題は、30歳の誕生日を過ぎると妊娠しにくくなるというのは本当なのか、それとも単なる脅しにすぎないのかということです。

健康な女性を対象に、妊娠しやすさを調べた最新の研究を見てみましょう。自然に妊娠する女性は、年齢が上がるごとに少なくなっていきますが、その落差は世間が想像しているほど大きくはありません。ある研究は子供を望んでいる782組のカップルを追跡調査しました。その結果、19から26歳の女性のグループの妊娠率は明らかに高く——1年以内に92パーセントが妊娠——年齢が上がるにつれて妊娠率は下がっています。しかし20代後半から30代はじめの女性の妊娠率に大きな差は見られませんでした。