社員は即戦力となる中途採用者が圧倒的に多いが、2006年から新卒採用にも乗り出している。だが、他の日本企業のような“ポテンシャル採用”ではなく、専門能力に秀でたプロフェッショナルしか採用しない。
「日本のソフトハウスのように、資質があれば文系でもプログラマーに育成します、という採用はしていません。エンジニアであれば、コンピュータサイエンスという学問を究めた一流の専門能力を持った学生を求めています。よく新卒の魅力として何も染まっていない真っ白であることを評価する企業もありますが、うちは逆に真っ白なタイプは必要ありません」(吉田部長)
新卒採用数は決して多くはないが、初任給は学卒、修士卒の区別なく、個々の能力に応じて支払っているという。これも日本企業の一律初任給制度と一線を画している。
組織のフラット化をはじめ、旧来の経営組織論に基づく組織・人事管理手法を否定し、日本企業の伝統的経営からも逸脱したグーグルの経営手法は、知識創造型産業のモデルとなるのか。グーグルの挑戦は日本型経営モデルの変革を促す可能性を秘めている。