せっかく憧れの新居を手に入れたのに夫婦喧嘩が増えたワケ

田村さん夫婦は、できれば子どもをもう一人欲しいと考えており、新居の間取りもそれを想定して選んでいる。亜子さんは、長女の通う保育園のママ友から、人気のお教室は、子どもが生まれた時点で予約するのだと聞き、今から情報集めに躍起になっているようだ。

祥太さんとしても、子どもの教育はできるだけのことをしてやりたいとは思う。しかし、新居購入で発生した新しいコスト(税金、マンション維持費)やかさむ食費・交際費・インテリア費によりすでに家計は火のクルマ。これに教育費負担が2人分に増えることを考えると、あまりお金をかけられないのは明らかだ。

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その上、都内の郊外に引っ越ししたことで、夫婦そろって通勤時間が長くなり、特に育児を主に受け持つ亜子さんが残業できず、手取り収入が減少。祥太さんの仕事も忙しく、亜子さんの家事や育児の負担が重くなって、心身共に疲れている様子。最近、ささいなことでケンカしてしまう。

ほとんどお金もためられない。老後資金はどうすればいいのか

まさに、「こんなはずじゃなかった」のオンパレードだった。

今、祥太さんは、この先行き不透明な時代に、増え続ける子どもの教育費や生活費をまかないながら、何十年も続く住宅ローン返済をちゃんと払っていけるか不安を感じている。

これらを何とかまかなえたとしても、今の状態ではほとんどお金がためられない。自分たちの老後資金はいつ、どうやって準備すればいいのか。

もし、自分や妻がどちらかでも仕事を辞め、収入が減ったり、なくなったりしたらどうすればいいか。

マイホームを買うにしても、もっと時間をかけて自己資金を準備するなど、慎重に計画するべきだったのではないか。

いまさらながら、同期が家を買うと聞き、ほとんど勢いだけで買ってしまったような気がしてならず、自分の考えの浅はかさに後悔しきりの祥太さんだった。