知らない人はまず騙せる
仕掛けを知っている人からはくだらないイタズラだと一蹴されますが、知らない人はまず騙せるでしょう。
そして残念ながら、この手のトリックを使った詐欺が、SNS上では蔓延しています。
ツイッターでは「私は年末ジャンボ宝くじの当選者です。このアカウントをフォローし、投稿にいいねとリツイート(RT)をした方から抽選で100万円を100名の方にプレゼントします」といった旨の投稿を、宝くじの当選写真やネットバンキングの写真などをつけて行い、投稿の露出やフォロワーの増加を狙う人がいます。中には「リツイートした人全員に100万円をプレゼント」などという、お粗末極まりない投稿もありますが、こういった投稿に数万件のいいねやRTがつくことも珍しくありません。
当然ながら、こういった“懸賞”の当選者は存在しません。
アカウントの露出を増やし、情報商材を購入させたり「おめでとうございます。あなたは当選しました。受け取りのためにこのアプリをインストールしてください」などと持ち掛け、アプリの報酬を得ることが狙いの詐欺行為です。
信ぴょう性を高めるため、“当選者”の投稿をRTする人もいますが、APIというシステムを使って当選者の情報を調べてみると、そもそも応募を行っていない、ということも多々あります。
こういった投稿が大量のRTを呼ぶのは、前ZOZO社長の前澤友作氏がこの手の企画を行った実績があることと、RTとフォローだけでは実害が発生しないからです。
実害は発生していなくとも、こういった投稿をRTすることは、カラクリを知らない人が金銭をだまし取られる手伝いをすることになります。
近年ではSNS上で企業が懸賞を行うことも珍しくありませんが、それらの懸賞は無償の行為に見えて、新製品の宣伝やブランドの露出という見返りが存在しています。
そういった見返りを得るメリットのない個人が行う懸賞には、必ず裏があると疑ってかかり、その行為に加担しない賢さが、SNS時代では必要になるでしょう。