背骨が湾曲し日常生活に影響も

また、骨格の歪みからくる姿勢の悪さは、見た目に悪影響を与えるだけでなく、頚椎けいつい腰椎ようついのヘルニアの発症リスクを高めたり、神経や血液にも悪影響を与えたりします。

例えば、首の回りは重要な神経や血管が集中している場所です。歪んでしまった体のバランスをとろうとして首に余計な力が入ってしまうと、そこにある神経や血管を圧迫することになり、全身の神経や血流、リンパの流れにも悪影響を及ぼすのです。

また、背骨(脊柱せきちゅう)の中には脳から出ている中枢ちゅうすう神経と血管が走っています。中枢神経は左右31対の末梢まっしょう神経に分かれて、全身の臓器や筋肉を支配します。血管もさまざまな場所に枝分かれして、酸素や栄養を運ぶ働きをしています。

「少し我慢すれば…」がパフォーマンスを落とす

もし、脊柱が湾曲してしまうと、中を走っている中枢神経や血管が圧迫されるほか、変な方向に引っ張られて曲がるリスクが高くなります。その結果、痛みを生じさせたり、血流が阻害されたりします。

これによって起こる症状には、次のようなものがあります。

頭痛・視力低下・ドライアイ・首や肩のこり・背中のこり・手足のしびれ・手足の冷え・動悸・めまい・ふらつき・不眠・精神不安定など

いずれの症状も、日常生活はもちろん、ビジネスシーンでもさまざまな影響を与えます。「ちょっと我慢すれば……」と、ストレスを感じながらもその場しのぎを続けているうちに、長期間にわたってパフォーマンスを落とすことにもなりかねません。

歯並びを整えることは、姿勢を美しく保つだけでなく、健康な体を維持する上でも、大きな役割を果たすことになるのです。

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