血圧や肝臓など健康診断の「数値」には一喜一憂する一方、歯のケアに関してはあまり気を使わない人が少なくない。だが、口の中から発生する歯周病菌が血管に侵入して全身を巡り、脳や心臓などに重大な病気を引き起こす可能性が高いのだ。

歯のケアをサボると命に関わる!

健康診断や人間ドックのメニューの中に通常、「歯科検診」は含まれない。体の内部は、血液や尿・便を採取したり、エックス線や超音波(エコー)の画像診断をしたりしてくまなくチェックするのに、歯は口の中に違和感を覚えたときに診察してもらう程度。そんな人も多いのではないか。だが、それでは体は知らぬ間に老いぼれてしまうリスクがある。

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「ことは歯の問題だけではすまなくなります。脳や肺・心臓・血管など命に関わる臓器の重大インシデントとなる可能性があるのです」

とは、歯科医の若林健史さんだ。歯の劣化・歯周病の影響で脳・心臓・血管・性器などがやられる。具体的には「脳・心疾患」「糖尿病」「認知症」「ED(勃起不全)」などに直結するという。そうした警鐘が鳴らされているのを承知の人は多いが、本当の怖さと発症の仕組みをきちんと知る人は少ない。後ほど、それらのメカニズムを詳しく説明するが、ここでは全身の病気の元凶となる歯周病に関する基礎知識をおさえよう。