実際、石川選手の収入は母親が代表を務める個人マネジメント会社がすべて管理している。要するに親の会社とマネジメント契約を結んだ形になっているのだが、本人の法定代理人も親。これは利益相反に当たるのではないだろうか。

「厳密にはその可能性もありますが、親は子供のためにちゃんと行動するという思想で成り立っている日本の法律では、そこは問われない。親子の間柄ですから、マネジメント契約といっても契約書を交わす形にはしていないと思います。しかし契約書がなくても、会社と本人の間で一定のルールがあれば、それはそれで“契約”になる」(同)

しかし、親子の間で感情のもつれが生じたときには、トラブルにつながることも少なくない。

「子供のビジネスに主体的に関与したければ、会社をつくったほうがお金は自由に動かしやすい。一方で、お金の問題だけではなく、未成年をきちんと教育して、その世界で生きていけるように育てたいのなら、親権者の立場にとどまり、子供を大手プロダクションやマネジメント会社に預ける選択もあります」(同)

肝心なのは子供の才能の芽が伸ばせる環境を整えてあげることだ。ただし、未成年でも一度結婚すると成年とみなされて(成年擬制・民法753条)、養育、監護など親の管理義務から子供は離れる。親があまり欲をかきすぎると、20歳前に結婚されてしまうかも。

(ライヴ・アート=図版作成)