ふるさと納税をした翌年の住民税に影響する

給与所得者の方の場合は、源泉徴収票の内容がそのまま、それぞれ住民票を置いている自治体に送られる。そして、その内容をもとに2019年分の地方税が決定される。影響が及ぶのが当年ではなく翌年なので、「ふるさと納税」として寄付した金額については、納めるべき住民税から控除されるという仕組みになっている。

言い方を変えると、2019年に「ふるさと納税」をした分は、2020年になってから支払う2019年分の住民税が安くなるというわけだ。

ここで、“支払う”という言葉を使ったが、給与所得者の方は、住民税を別途“支払う”わけではない。毎月の給料から天引きされているので、支払う金額が安くなっている、得したという実感はあまり持てないのかもしれない。

ちなみに、個人事業主として確定申告をしている方が「ふるさと納税」をした場合は、所得税も還付ではなく控除だ。所得控除が増えることになり、納めるべき金額がその分少なくなる。

個人事業主の場合、住民税の「ふるさと納税」が控除されているかどうかは、年が明けて5~6月ころ手元に届く「住民税決定通知書」で確認することができる。

給与所得者の方の場合は「住民税決定通知書」ではなく、「給与所得者等に係る特別市(区)民税・県(都・府・道)民税 特別徴収額の決定通知書」というものが、5~6月ころの勤務先から渡される。

「給与所得者等に係る特別市(区)民税・県(都・府・道)民税 特別徴収額の決定通知書」の中の、税額控除の欄、または、寄付金税額控除の欄に「ふるさと納税」の控除額が記載されているはずだ。「ふるさと納税」をした方は、住民税に関する書類が手元に届いたら、控除金額を確認しておきたい。

ますます高まるふるさと納税への関心

2019年も残すところ、わずかとなった。

12月31日まで「ふるさと納税」は、駆け込み需要が殺到するのではないだろうか。

筆者が住んでいる地域について年末年始の役所の閉庁日を調べてみると、12月29日から1月3日までとなっていた。

「ふるさと納税」で人気となった自治体の担当者は、年末年始は休み返上で対応することになるのだろうか。

寄付金はたくさん集まったけれど、通常業務に支障をきたしている、ということもあるだろう。事務にあたっている人たちの労をねぎらうことにも、「ふるさと納税」での寄付金が使われればよいのにと思う。

地方公務員として働いている人の生の声を聞く術はないが、その地域の住民以外の方にも、サービスを提供しなければならなくなった分、忙しくなっているのだろう。

2019年6月に改正された「ふるさと納税」は、ますます関心が高まっている。
総務省は「ふるさと納税」のポータルサイト

“ふるさと納税で日本を元気に!”

と掲げている。

日本のあらたな施策である「ふるさと納税」。

品物ではなく、ツアーなど体験型で地域に人を呼ぶというものも増えているようだ。

今後、どのような展開がなされていくのか、注目していきたい。

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