【Case2】気遣いゼロの夫の発言にブチ切れた妻

息子が尻に敷かれているのではないか

Bさん(48歳・男性)も、上手に妻をフォローできずに離婚の危機を招いた男性のひとり。しかもBさんの場合、女手ひとつで育ててくれたことも手伝って、妻よりも自分の母親の肩を持ってしまったのだから始末が悪い。

今年の元旦、新年の挨拶あいさつをしにBさんの実家に夫婦そろって訪れた際、「オレも念願かなって独立したことだし、今年は母親にもお年玉をあげようと思う」と、母親にお小遣いをあげることを自ら提案したBさん。「いいんじゃない?」と賛成した妻は、10万円分の新券の入ったポチ袋を用意し、「お義母さん、今年もよろしくお願いしますね」と帰省後、挨拶の後で手渡したという。

ところが、息子の嫁からお小遣いを受け取った義母は、複雑な表情を浮かべてこう言ったという。「これは、Bの稼いだお金でしょう? それを全部アンタが管理しているのかい?」と。義母は、妻に尻を敷かれていると誤解し、息子を不憫ふびんに思ったようだった。

何げない夫の一言が、本音に感じられた

Bさんの妻は、隣でやりとりを聞いていた夫がしっかり誤解を解き、フォローしてくれるはずと思いきや、現実は真逆の展開が待っていた。Bさんは、母親に同調するように「そうなんだよ、お母さん。オレがいくら頑張って稼いでも、こうやってコイツが全部派手に使っちゃうんだよね。お小遣いももらえないんだよ。なぜかオレにはケチなんだよな」と母親に言ったのだ。

冗談めかして言ったつもりのBさんだったが、これまで20年以上、家計が苦しい時もパートに出たりしながら乗り切ってきた妻にとって、夫の発言は許しがたいものだったという。「もしかして、それが夫の本音だったのかと思ったら悲しくなりました。私なりに頑張ってきたけれど、この先もう、夫を支える気持ちはないですね」。何げない夫の一言が、妻の心が離れる原因にもなる場合もある。