【Case1】義母の手料理をめぐって嫁姑のバトルが勃発
「煮物の味がお菓子みたいに甘すぎる」
4年前に結婚したAさん(34歳・男性)は、年末になると東京から車で2時間のところに住むAさんの実家に9歳年下の妻と夫婦で訪れ、Aさんの両親と4人で年始を迎えることにしていた。実家では、Aさんの母親が4人では食べきれないほどの量の料理をつくって待っているのが恒例行事。
ところが、若い世代の妻は義母のつくる手料理になじめなかった。「煮物の味がお菓子みたいに甘すぎるし、そもそもおせち料理自体も苦手。私の母は料理が不得意で、実家のお正月はいつも外食だった。だから夫の実家で何日も似たような味付けの料理を出されても、全然食べる気がしなかったんです」。好みではない義母の手料理を「もっとたくさん食べなさい」などと強要されるのも苦痛に感じていたという。
立ち回りに失敗、妻と母にそっぽを向かれた
滞在4日目にして義母の手料理がまったくのどを通らなくなったAさんの妻は、Aさんに内緒で宅配ピザを注文。Aさんの運転する車で義両親が買い物に出掛けている間に、居間でひとりテレビを見ながらピザを食べていたところ、予定を早めに切り上げた3人が帰宅。悠然とピザを頰張っている嫁の姿を目撃した義母は「私の料理よりピザのほうがおいしいっていうの?」と激高。
ところがAさんの妻は義母の怒号にひるむことなく「はいそうです」と認め、「Aくんだって、そう思っているはずですよ。いつも『オフクロは料理が下手だからな』って話していますから」と冷静に反撃したのだった。
嫁姑のトラブルに、予期せぬ形で本人も巻き込まれた形になったAさんは、突然のことにうまいフォローもできずオタオタするばかり。「とりあえず、帰るわ」と妻をつれて帰宅したものの、以降も嫁姑の間に生じた決定的な亀裂を修復することはできないまま。妻からは、「そんなにお義母さんが大事なら、一生ママにご飯をつくってもらえば?」と離婚を切り出されたのだった。「結局、自分がうまく立ち回れなかったことで、妻からも母親からも信頼を失ってしまったんでしょうね」。