冒頭発言13分間のうち、一度も「桜」は出てこない

「桜国会」と言われた臨時国会は12月9日、閉幕した。夕方に安倍晋三首相の記者会見が行われたが、その内容は国民をがっかりさせるものだった。このままでは来年になっても支持率が回復することはなさそうだ。

安倍氏の会見は9日午後6時から首相官邸で行われた。国会が閉幕する際には首相が会見を行うのが慣例になっている。今回もその慣例に従って行われた。

写真=EPA/時事通信フォト
臨時国会が閉会し、記者会見で質問に答える安倍晋三首相=2019年12月9日、首相官邸

会見にあたり安倍氏は、いつも長い冒頭発言を行う。今回も、今国会で承認された日米貿易協定、成立した改正会社法などの利点を強調。今後取り組む経済対策、教育、全世代型社会保障などについてとうとうと説明。その上でこう結んだ。

「年が明ければ令和2年。(中略)令和の時代を迎えて日本も新しい時代への躍動感にみなぎっています。この絶好のタイミングにあって、力強く進めていく、その先には憲法改正があります。常にチャレンジャーの気持ちを忘れることなく、国内外の山積する課題に全力で取り組んでいく決意であります」

その間、13分間。「桜」という言葉は出てこない。