年々、利用者が増えている「ふるさと納税」。その年の分の還付を受けるには年内に支払いを済ませる必要がある。ただし注意点がある。元国税調査官で税理士・産業カウンセラーの飯田真弓氏は、「『ふるさと納税をするとお金が戻ってきてお得だ』と勘違いしている人が多い。実際に戻ってくる金額はわずかな上に、戻ってこない場合すらある」という——。
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ポジティブな言葉が躍るふるさと納税公式サイト

今年も残すところ、あとわずか。

毎年年末になると、テレビではお正月用の買い物客でにぎわう市場にリポーターが出向き、全国各地の名産品を紹介している。コンビニの多くは24時間営業、スーパーマーケットは元日から営業する店舗もちらほら。百貨店でも2日から営業をするご時世。なのに、年末に買い物をしておかなければならない気分になるのは、日本人の七不思議かもしれない。

そんな年末の購買意欲の高揚を後押しするように、連日、テレビやネットでも広報・宣伝されているのが「ふるさと納税」だ。

「ふるさと納税」と検索してみると、見事に広告のサイトが出てくる。

そもそも「ふるさと納税」とは何なのか。

広告のサイトの後、しばらくスクロールしてみると、出てきたのが総務省のサイトだ。トップの写真には「ふるさと納税で日本を元気に!」という言葉が、表示されている。地方自治体と国が争う原因を作った「ふるさと納税」。本当に“日本を元気にしている”と言えるのだろうか?

「ふるさと納税」は、「納税」と銘打っているので、財務省や国税庁の管轄かと思いきや、そうではない。総務省だ。総務省「ふるさと納税ポータルサイト」にはトップページの次に次のようなページが用意されていた。