還付金をもらうため確定申告の会場で長時間並んだが…

ここで「ふるさと納税」をしたサラリーマンのAさんの話を紹介しよう。Aさんは、休日でも開催している確定申告会場があることを知り、そんなに乗り気でなかった奥さんを「戻ってきたお金で、美味おいしいものを食べに行こう!」と、説得。

終わったら子どもと一緒にアウトレットモールにでも行こうと思っていた。が、しかし、会場は超満員。午前中に着いたのに、渡してもらった番号札は午後からのもの。やっと順番が回ってきて、必要書類に記入。寄付金の証明書を出し、最後に源泉徴収票を担当のアルバイトに手渡した。

すると

「あの~、申告の必要がないので、お返します」

と、書類を一式返された。

「ここの金額が書かれていないので……」

アルバイトは、源泉徴収票の源泉徴収税額の欄を指さしていた。

実は、Aさん、数年前に住宅を購入し、その際に住宅ローン控除の申請をした。確認をしていなかったのだが、その住宅ローン控除のおかげで、源泉徴収票の源泉徴収税額の欄は0円になっていた。

かくして、Aさんは、「ふるさと納税」の恩恵を受けることができなかったのだ。

会場は、人が多くて空気も乾燥していた。家に戻ると子どもはぐったり、インフルエンザをもらっていた。

なぜ確定申告には特設会場が設けられるのか

確定申告が、税務署ではなく、特設会場を設けて行われるようになったのは、税務署に人を来させないための施策だ。親身に相談に乗ろうという気持ちからではない。「自主申告」という言葉がそれを表している。平たく言うと“申告書は自分で書きましょう!”ということだ。

スーツの上に蛍光色のジャンパーを着ているのは、税務署の職員だ。一時に、会場に人が入り過ぎないように人員整理をする。それぞれの持ち場でパソコンの操作をしたりするのは、アルバイトの場合が多い。彼ら彼女らは、教えられた箇所に、言われた数字を入力することしかしないし、できない。

ここまで書いてみて、行政の窓口業務を風刺した落語を思い出した。「ぜんざい公社」だ。

その昔、煙草は「せんばい公社」が扱っていた。その「せんばい公社」を文字っての「ぜんざい公社」。

落語の主人公は、国が始めたぜんざい屋があると聞きつけ、話のネタに行ってみる。

「ぜんざい公社」は立派なビル。

受付で身分証明書の提出を求められ、ぜんざいを食べる申請をしたら申請書の手数料を銀行の窓口に行って支払うように言われる。