次に、現行プリウス※とインサイトではどうだろうか。

現行プリウス※はインサイトと同じ189万円に大幅値下げして対抗するといわれる。トヨタが本気でホンダ潰しに動き出したのだ。現行プリウスの燃費はリッター35キロなので、最初から現行プリウス有利だ。しかも、ハイブリッドの仕組みから見ても格段にプリウスが上と言える。つまりコスト、性能ともに現行プリウスに軍配があがるのだ。

これまでガソリン車に比べて割高といわれていたハイブリッド車も、ホンダとトヨタの競争でぐっと身近になる。しかも、4月から実施されているエコカー免税制度を利用すれば、クルマの条件によってだが、最大で自動車取得税8万5000円と自動車重量税5万6700円がなくなる。

さらに政府が発表した新経済対策では、新車登録から13年超の自動車を廃車にして、2010年度燃費基準を満たす新車(新車の9割が対象)に買い替えると25万円(軽は半額)が助成される。登録13年未満の買い替えでも、同燃費基準より15%以上燃費効率のいい新車(新車の4割程度が該当)を購入すれば普通車で10万円(軽は半額)の助成がある。

インサイトかプリウスかで迷っているなら、今買い急がず、次期プリウスの詳細や現行プリウス値下げの正式発表を待ち、5月のトヨタとホンダの激突を見てからでも遅くないだろう。

もっとも、1円でも総出費を抑えたいなら、ガソリン車ながら燃費がリッター24キロのホンダ・フィットは134万円(Gグレード)。10年間の総出費(車体+燃料)はなんと189万円。ダントツに安上がりなのだが……。

※すべて雑誌掲載時の情報

(斉藤栄一郎=構成)