ZHD「少数株主」の利益は守られるのか
もっとも、今回の統合を含め、ソフトバンクグループの資本やグループ体制の組み換えには分かりにくさがつきまとう。公正取引委員会には関係ないもうひとつの「独占禁止問題」が疑われるのだ。
ZHDは今年10月に上場企業だったヤフーを社名変更して持ち株会社に変え、引き続き上場している。一方で、傘下にヤフーという名前の新会社を設立、ヤフーが行ってきた事業はそこが担っている。今回のLINE親会社の出資でZHDの支配形態が大きく変わるが、上場は維持される。この間、ZHDの一般株主は「少数株主」としてきちんと利益が確保されているのか。ZHDの主要株主が変わることで、「少数株主」の利益は守られるのか。
2020年10月以降も、ZHDは上場企業でありながら、上場企業である電話事業のソフトバンクの連結対象子会社であり続け、やはり上場企業であるソフトバンクグループの孫会社として連結対象会社であり続ける。親子上場ならぬ孫会社やひ孫会社の上場で一大グループを形成することに、問題はないのか。本来は東京証券取引所が上場企業としてふさわしいのか、再度厳しく審査を行う必要があるのではないか。